今日は患者さんとの会話の中で胆石の話になりました。
聞いたことはあるけど詳しく知らないということで説明します。
まず、胆石の前に「胆のう」という臓器をご存知でしょうか?
胆のうは食べ物が腸に運ばれると、胆汁を出し、膵臓から出される膵液と混ざり脂肪を分解する消化酵素として働きます。
脂肪の消化は、肝臓から分泌される胆汁と膵臓から分泌される膵液の力によるものが大きいのです。
肝臓から分泌される胆汁は濃度が薄いのですが、胆のうに貯められた胆汁は濃縮され、食事の時に必要に応じて排出されるようになっています。
胆のう自体は胆汁を出しているわけではなく、肝臓から分泌された胆汁を貯蔵しているだけですので、胆のうを摘出しても消化に問題は発生しません。
胆のうが無くなると肝臓は胆のうの無い状態に適応し、濃い胆汁を分泌するようになります。
そして、胆石とはこの胆のうの中で結石として存在しているものをいいます。
日本では、高齢化と食生活の欧米化で年々患者が増えているのが胆石症で、この胆石症でできる胆石の70パーセント以上がこのコレステロール結石といわれています。
コレステロールの代謝が悪くなり、脂肪分が過多になると体内には胆石ができやすくなります。
肝臓から分泌される、胆汁の成分が過剰な脂肪分の周囲に固まったのがこの結石です。
日本食は本来脂肪分の少ないものばかりでしたが近年は肉食中心の脂が多いものが主流となり、コレステロール胆石ができやすくなっています。
石灰化結石が見つかった場合、ほぼコレステロール結石です。
不規則な生活やストレスが続き、内蔵のはたらきが悪くなると脂肪分がうまく消化しきれずに結晶化しやすくなります。
このような日常生活を送っている人は食事内容も偏りがちなので、ますます結石のできるリスクを負うことになります。
コレステロール結石は、いあわゆる胆のう結石が多いことが報告されています。
また、肥満気味な方、40歳代、出産経験の多い方、女性などの条件が重なっている方に多いとされ、他にも、脂肪の代謝に異常のある方、妊娠、急激なダイエット、胃切除手術後といったものも関連があるとされています。